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広島県 広島市
可能性しかない島、江田島(エタジマ)。移住者が年々増え続けているこの島で、最近やたらと学生たちが動いている!そこで今回江田島を訪れていた広島市立大学国際学部のフィールドワークに同行。島とは無縁の大学生が考える、“島のこれから”とは?
| 活発に動く学生たち
8月~10月にかけて、広島市立大学国際学部の学生が江田島市にフィールドワークで訪れ、江田島に住む人たちと触れ合いながら体験型研修を行いました。この面白い試みを指導するのは、広島市立大学国際学部国際学研究科の教授・山口光明(やまぐち・みつあき)先生。山口先生は「SETOUCHIの島の創造的イノベーション」というテーマを基に、瀬戸内海に浮かぶさまざまな島において、魅力的な島創りの研究と活動を学生たちと共に行っています。
今回は3つのグループに別れ、各グループまったく違うプランで江田島に滞在し、主に島に住む人々と触れ合う・島暮らしを体感することを目的としたフィールドワークが行われていました。数年前に江田島市に移住した方が作られたコミュニティースペース・フウドを中心に活動的な移住者との対話を主に行うグループや、人気アクティビティ・SUPを思いきり楽しみ、地元の方との交流を中心としたグループなど、島民との交流を通して江田島市が持つ課題とこれからを考えるフィールドワークはとても面白いもので、学生たちの自由な発想は非常に魅力的!
そこで今回、外から見た江田島のことが知りたくなり、女子グループが考えたプランに同行。
“可能性しかない島”だからこそできるディープな体験と、そこから見出した江田島市の課題とはなんだったのでしょうか?
| 島暮らしを全身で体感!
体で江田島を体感することを目的とした今回のプラン。1日目は、農家でありながら江田島の自然の恵みの中で逞しく育ったイノシシの肉の販売をしたり、『シェア田んぼ』などの面白い企画をされているおきらくやさんでの稲刈り体験からスタート。久々に大自然の中で思いきり汗をかき、稲刈りを楽しむ彼女たちからは「やっぱり体動かすことは楽しい!」「空気が美味しい!」などの声が。この稲刈り体験を通して、新型コロナウイルス感染症の影響でアウトドア観光が求められている今、このようなボランティア体験型ツアーがあったら行きたい!との意見も出ていました。
| あちこちに学びの場がある島
続いて、古民家リノベーションと建築について学ぶために、実際に空き家をリノベーションし活用されているしまのぱんSouda!さん、今月3日にOPENしたばかりの江田島ポタジェ&レストランBricolage17(ブリコラージュ17)さんを訪れました。江田島市が抱える課題のひとつでもある「空き家問題」について学生たちの関心が高く、空き家をどのように活用すれば地域活性に繋がるのか?と真剣に話を聞いていました。
市外から訪れる方にも、江田島市民にも愛される場所をつくること。大自然に囲まれた江田島ならではの空き家活用方法と想いを実際に聞き、学生たちも色々なことを感じ取っていました。
その他にも、コミュニティースペース兼民泊事業を行っているNORAさんで島民との交流や朝ビーチヨガ体験、大柿町大原にある明慶寺でお茶を楽しみながら器について学ぶなど、1泊2日の島暮らし体験を満喫していました。
この体験を通して学生たちはもちろん、私たち江田島市に住んでいる島民も色々考えさせられる場面があり、とても貴重な体験を学生たちと共に行うことができました。
| これからの江田島について学生たちと考える
フィールドワークを終え、学生たちは・・・
「人と自然環境が魅力的で、人の暖かさに感動しました。現在、島暮らしを望み全国各地に移住する人が増えていると感じていますが、誰しも初めての場所は緊張すると思います。でも、江田島に住む人(少なくとも私たちがお会いした人)はどんな人も寛容に受け入れる印象を受けました。そして、何か新しい事を始める時は周りを巻き込んで一緒に取り組む姿勢、何事も一から自分達でつくるという考えに感銘を受けました。一方で豊かな自然環境の裏には海ゴミ問題があり、変えたくても変えられない状況がある事を知りました。せっかくの自然環境を守る為に何か力になりたいと強く思っています。」
「江田島の空き家問題について様々な人にお話を伺ったところ、人が集まることができる場所として個人がとりあえず所有している場合が多く、他人に受け渡すのが難しい状況も多数あると知りました。また、観光業が発展する一方で島民との考えのずれが生じていることを聞き、空き家を活用するにしろ、観光事業に力を入れるにしろ、島民の方の理解を得たうえで動いていくこと、どんな人にも愛される場所を作ることが大切だと感じました。」
『空き家問題』『海ごみ問題』『市政と市民の在り方』・・・学生たちが言うように江田島市にはたくさんの課題があります。一方で、理解さえ得られれば自由な発想で色々なことが出来る!ということ、そして、自然が影響した緩やかな島時間を楽しむことができ、多くの人がフレンドリーで温かいことを改めて知ることが出来ました。
「学生たちが今後とも地域の人たちと一緒に話をし、江田島のいいところを体験してもらえればと考えています。」と山口先生が仰るように、江田島市とは無縁のバイタリティ溢れる学生たちが、島暮らしを体感し、島に住む人たちと触れ合う中で江田島の魅力を考え、課題を洗い出し、未来に向けて動いていくことで、江田島に住む人たちもさらに元気になれる、可能性を見出せる。
いくつもの繋がりの中から生まれるアイデアや行動は、これからの江田島市にとって良い風となるでしょう。
これも“可能性のある島”だからこそできる『地域活性』のひとつではないでしょうか?
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