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2020.11.09

その他

アフターコロナの観光業はどうなる?数年後の勝ち組になるための展望とは

記事投稿者 みんなの観光協会<第3編集部>

所在地: 佐賀県基山町

みんなの観光協会の第3編集部です! 地方創生や観光系、地域活性系のニュースを定期的に配信します。

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新型コロナウイルスの発生と蔓延により世界は一変しました。ウイルスは人間の移動と共に流行を拡大させることは過去の歴史も示しており、今回も世界的に都市封鎖や移動制限が行われ、自粛ムードも手伝い観光業が大きなダメージを受けています。

アフターコロナを見据えても、完全にコロナ以前の生活を取り戻すことはもはや不可能と言わざるを得ません。アフターコロナの観光業で勝ち組になるために何を意識し、どんな準備をすべきなのか、今後の展望を解説します。

 

 

コロナ収束直後は貸し切りの旅行に勝算

アフターコロナと位置付けられる最も近い将来というと、ワクチンの完成によって感染力が低下した未来を想像できます。この時期には観光業にも大きな前進があると考えられますが、まだコロナによる影響が強く残っていることは確かでしょう。

 

このタイミングでは、なるべく部外者と接触しない旅行を心掛ける消費者が増加するものと思われます。つまり団体による貸し切り旅行、あるいは小規模施設の一棟借りといった形の旅行に対する需要が増加することになるのです。

 

ホテルに関しては、数百室を用意する大規模な施設よりも、コテージのような小規模な部屋を点在させたスタイルの施設に勝算があります。民泊やAirbnbといったタイプのプライベート感のある宿泊施設にも、今後さらに注目が集まることでしょう。

 

 

消費者が安心できる清潔感を持たせることは必須

アフターコロナ直後というタイミングでは、旅行への意欲を取り戻す消費者が増える一方で、まだ疑心暗鬼の状態が続くものと考えられます。特にホテルやレストランなど長時間の滞在が前提となる施設では、消費者が安心できる清潔感と感染予防対策が必須です。

 

コロナが収束したからといって、すぐにコロナ対策グッズが不要になるわけではありません。このことを考えると、現段階からコロナ対策関連品を簡易的な物ではなく、本格的で高レベルな物に置き換えることもおすすめです。

 

 

問い合わせに対する応対力も重要に

アフターコロナにおいては、2019年以前と比較して、旅行者からの問い合わせの内容が一変するものと予測できます。具体的には感染予防対策の中身や過去の実績などが問われることになるでしょう。

 

こうした質問に対して明確な回答ができるかどうか、旅行者が安心できる情報を提供できるかどうかがポイントになります。ホームページ等を通じて、自ら積極的に対策を行っていることを周知することで、顧客の確保に繋げることが可能です。

 

世界各国からの視点としては「日本は清潔で安全な国」という共通認識がありますから、インバウンド需要の復活も比較的早くなるものと思われます。インバウンドを迎え入れるための準備に力を入れることも重要です。

 

アメリカやヨーロッパでは感染拡大が続いており、一般旅行者の受け入れが速やかに進まない可能性がありますが、アジア各国では既に感染を抑えつつある国もあります。具体的には、200日連続で感染者なしという記録を達成した台湾などを挙げられます。

 

こうしたリカバリーの速い地域の情報を掴み、それらの国民に対してPRの姿勢を強めることも意識したほうが良いでしょう。中国語をはじめとした近隣国の言語への対応や文化の受け入れが、今後さらに重要な意味を持ちます。

 

 

アウトドア志向への対応もポイント

コロナ対策においては「換気」も重大なキーワードです。過去の例を見ても「劇場」や「カラオケ」といった密閉された空間からクラスターが発生することが多く、密室に対するネガティブなイメージを払拭するためには時間が必要です。

 

旅行者の間で強まるのは「アウトドア志向」です。キャンプやグランピングのようなスタイルを取り入れた宿泊や食事を提供することができれば、注目が集まりやすく、施設側としても万一のクラスター対策が可能となり、リスクを低減させられます。

 

飲食店においては、引き続きテイクアウトの需要は高止まりします。それを発展させるような形のビジネスモデルを考えるならば、オープンスタイルのカフェやレストラン、公園など屋外の施設で食事を楽しんでもらえるようなプラン作りなどが求められるでしょう。

 

 

アフターコロナの観光業で低価格化を完全に避けることは難しい

 

2020年10月現在は、GO TOトラベルキャンペーンも本格化し、マイクロツーリズムに代表される国内旅行の需要が徐々に高まり始めています。しかし、その大きな要因の一つが「割引」にあることも明白な事実と捉えなければなりません。

 

GO TOトラベルでは、宿泊費の割引とクーポン券を合わせて、旅行者は約50%もの還元を受けられています。政府の支援対策であり、観光業者が身銭を切ることは無いため、短期的に見れば今回の割引は歓迎すべきでしょう。

 

しかし長期的に見れば、元の料金に戻った瞬間から、消費者が旅行にかかる費用を「割高」と見る可能性が生じます。ある種の錯覚ではあるのですが、アフターコロナにおける観光業で低価格化を完全に避けることは難しいものと考えなければなりません。

 

 

ディスカウント競争を勝ち抜くために必要なこととは

ディスカウント競争のような状況に陥ったとき、ブランディングの一環として敢えて競争に参加しないという選択肢を取ることもできます。しかし、地域や施設としての強みや優位性がどんな部分にあるのかについては、改めて見直しが求められることになります。

 

ディスカウントを取り入れるならば、自分たちの長所をディスカウントさせたほうが有利です。旅行者が心から魅力を感じられる体験を割安で提供することにより、割引が終わっても価値があるコンテンツであることをPRでき、リピーター獲得に繋がります。

 

 

アフターコロナの観光業は依存体質からの脱却を目指すことも大切

アフターコロナにおいては、特定の属性の顧客に対する依存体質から脱却することも大切です。今回、特に大きな影響を受けたのがインバウンドに特化した施設や地域であり、この原因の根本が依存にあることは間違いありません。

 

たとえば、コロナ以前は「春節」による中国人訪日客が多く、これによる需要を見込んだ運営を行う施設や地域も目立ちました。しかしアフターコロナでは、そういった特定の国や地域のインバウンドに依存した運営に立ち返ることは避けるべきです。

 

新型コロナウイルスを世の中から完全に消滅させることは困難との見通しも立っています。特定の地域において流行し、入国制限等が課せられる可能性はゼロではありません。国内を含む様々な地域からの旅行者の受け入れを意識した運営に切り替えることが大切です。

 

 

ワーケーションも一定の需要を保つ

仕事と休暇を滞在先で一貫して行う「ワーケーション」は、今後も一定の需要を保つ可能性が高いでしょう。このような新しい形の需要に対しても素早く対応し、設備投資等を積極化させることが重要です。

 

細かな変化としては、インターネット設備の拡充や、働きやすいデスクの設置などは、競争を勝ち抜くために必須です。大きなものでいえば、宿泊施設からなるべく近い場所でレジャーを楽しめる環境作りなども必要になるでしょう。

 

 

まとめ

アフターコロナにおいても、完全に元のままの観光業を取り戻すことは困難と考えなければなりません。施設や公共交通機関の貸し切り、あるいは屋外を使用した宿泊等の需要は高まると考えられ、こうした旅行に対応する姿勢を持つことがまず大切です。

 

また、特定の国籍や属性にターゲットを絞り込み過ぎることも危険であり、依存体質からの脱却を図ることもポイントになります。ワーケーションなど新しい形の旅行に対応できる設備投資を行い、裾野を広げることを強く意識すると良いでしょう。

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みんなの観光協会の第3編集部です! 地方創生や観光系、地域活性系のニュースを定期的に配信します。

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