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古町花街と北前船

記事投稿者 薄田邦雅

所在地: 新潟県新潟市

東京の大学で地域活性化を学び、Uターンで新潟に。SDGsを新潟に広める会を立ち上げ、地方創生で地元のお祭りに参加。新潟の可能性を芸術、文化にあると感じており、日々勉強中。新潟は食、酒、祭りと全国に誇れるコンテンツがたくさんあります。県民性はおとなしめで真面目な性格だが、何事にも真剣に向き合い魅力ある新潟を創り上げております。そんな新潟を発信してまいります。冬は雪でスキーができたり、夏はお祭り花火等、数多くのイベントが楽しめます。是非新潟に足をお運びください。

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日本遺産とは、地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化伝統を語るストーリーを文化庁が認定するものです。
江戸時代北海道、東北、北陸と西日本を結んだ西廻り航路は経済の大動脈であり、この航路を利用した商船は北前船と呼ばれています。北前船は、米をはじめとした物資の輸送から発展し、船主自信が、寄港地で仕入れた多種多様な商品を、別の寄港地で販売する買い積み方式により利益をあげたことからまさに動く総合商社と呼ばれるものです。日本海や瀬戸内海沿岸に残る数多くの寄港地、船主集落は、北前船の壮大な世界を今に伝えます。

2017年、新潟市は荒波を超えた男たちの夢が紡いだ異空間 北前船寄港地船主集落、の地域の一つとして、日本遺産に認定されました。

みなとまち新潟

2019年1月に明治の開港から150年を迎えた新潟は、全国有数の流域面積を誇る信濃川と阿賀野川という2大河川の河口部に開けたまちです。すでに平安時代の10世紀から国津である蒲原津が設けられ、中世には蒲原、沼垂、新潟の3つのみなとが存在しました。江戸時代に日本海海路が発達すると北前船をはじめとした廻船や信濃川、阿賀野川水系の川船が各地から集まり、日本海側有数のみなとまちとして栄えました。

信濃川に沿った弓なりの町は通りと小路が交わり、縦横にめぐらされた掘の岸には柳が植えられ、表通りに面して縦長の町屋敷が並んでいました。諸外国に開港した後も近代都市として発展を続けています。

古町花街

新潟は、日本一の米産地を背後に、西廻り航路の拠点として繁栄した湊町です。古町花街には江戸時代から料亭が軒をつらね、文人墨客や政財界の有力者が集いました。尾崎紅葉や吉井勇、高浜虚子らも古町花街の情緒や料亭を題材とした詩歌を残しており、一部は石碑等となって今に伝えられています。また、古町芸妓の美しさは、堀と柳の風光と相俟って、全国に伝えられたと言われます。柳都の呼び名は、掘割の柳に由来します。古町花街は今では、十本の指に入る日本有数の現役花街です。

花街とは

花街とは、お座敷で芸妓の舞などの芸を楽しめる店がある街をいいます。明治以降、娼妓がいる遊郭とは分離されました。花街の語源は古代中国の花街柳巷だといわれています。昭和からは流行歌の影響もあり、はなまちという読み方が広まりました。くるわなどとも呼びます。
花街のせいりつは江戸時代初期頃といわれ、明治大正昭和と日本各地で栄えました。その後、社会の変化に伴って衰えていきますが、伝統文化を伝える場として、再び注目を集めるようになりました。全国的には新橋などの東京六花街、祇園などの京都五花街、金沢の三茶屋街などが有名です。一般的には花街の規模は都市の規模に比例します。
古町一帯は、往時には芸妓300人を数えた全国有数の花街です。今も新人芸妓を輩出しており、貴重な生きた花街です。現在、10数軒の料亭が営業し、20数名の芸妓が活躍しています。

花街の仕組み

一般に花街には三つの業種があります。すなわち料亭(料理屋)、茶屋(待合ともいい、座敷を貸すが料理は作らない店)、置屋(芸妓が籍を置き移住する場所)で、三業と呼ばれます。
ただし業種の内容や名称は花街によって多様です。京都や金沢は茶屋が中心の花街です。一方、東京や新潟は料亭が中心ですが、以前は新潟にも待合が多数ありました。また、古町の料亭の中には、予約不要でより安価な店や部屋などを併設しているところもあります。
これに加えて、料亭や茶屋への芸妓の派遣を取り仕切る検番(見番)があります。古町では従来は定まった検番はなく、各店が直接取引をしていたようです。現在は待合(美や古)があった建物に検番があります。

古町花街の建物

古町花街には京都、金沢についで伝統的な三業の建物が多く残っています。戦前の景観を残す伝統的な料亭の花街としては、全国随一です。これは地方中核都市の中心部にもかかわらず、第二次世界大戦の空襲を受けなかったことによる奇跡といえるでしょう。江戸から続く老舗の行形亭、鍋茶屋を筆頭に数軒の伝統的料亭(茶屋形態のものを含む)が営業しているほか、元置屋を活用したレストランなどが往時の建築を今に伝えています。また、舞踊の家元(市山邸)もあります。これらが狭い新道に連なって、情緒ある景観を生み出しています。

この記事を書いた投稿者

東京の大学で地域活性化を学び、Uターンで新潟に。SDGsを新潟に広める会を立ち上げ、地方創生で地元のお祭りに参加。新潟の可能性を芸術、文化にあると感じており、日々勉強中。新潟は食、酒、祭りと全国に誇れるコンテンツがたくさんあります。県民性はおとなしめで真面目な性格だが、何事にも真剣に向き合い魅力ある新潟を創り上げております。そんな新潟を発信してまいります。冬は雪でスキーができたり、夏はお祭り花火等、数多くのイベントが楽しめます。是非新潟に足をお運びください。

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