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オンラインツーリズムとは?海外・国内のオンラインツアーの事例をご紹介
現在はコロナ禍で旅行にも行きづらい世の中ですが、「知らない街を訪れてみたい」「早く旅行に出掛けたい」というフラストレーションを抱える方は多いのではないでしょうか。そういった人々を満足させられるかもしれない取り組みとなるのがオンラインツーリズムです。
この記事では、オンラインツーリズムの具体的な事例を詳しくお伝えします。オンラインツーリズムの魅力は、実際に足を運ばずとも現地を旅した気分を味わえることです。需要が高い海外ツアーを中心に、国内つあーもあわせて成功事例をご紹介しましょう。
スリランカへのオンラインツーリズム
累計参加者数が既に300人を突破しているオンラインツーリズムが、「あうたび合同会社」が提供する「スリランカの人々に会いに行く!オンラインツアー」です。2020年9月の開催回は満員御礼になるほどの人気を博しました。
このツアーはオンライン会議システムの「Zoom」を利用して行われ、ツアー時間は約4時間、途中退出自由となります。スリランカ在住の現地日本語ガイドや、茶園・アーユルヴェーダのスタッフがゲストとして参加する、本格的なオンラインツーリズムです。
ツアーは、スリランカ航空のビジネスクラスに乗り込むところから始まります。ほどなくして現地ガイドによる出迎えが行われ、そのまま市街を観光。首都から270km離れている耕地のエッラへと向かい、現地の茶園を訪れるという流れです。
その後もアーユルヴェーダの施設訪問、ガイド宅を訪れて料理教室の体験、伝統民族衣装の着付け講座、そして懇親会と盛りだくさんの内容です。スリランカに住む人々と中継を結び、コミュニケーションを取れることも魅力となっています。
ツアーはA~Cまで3つのパターンが用意され、オンラインを使ったツアー内容そのものはいずれも同様です。ただしそれぞれのセットに付くグッズの内容が変わり、それに応じて料金も変化するシステムを採用しています。
例えばAの「お酒セット」はスリランカの地ビールやカレーセット、観光資料など7つの特典が付いて9,000円です。Bの「紅茶セット」は、高級セイロンティーやカレーセットをはじめとする6つの特典が付き、価格は10,500円に設定されていました。
フランス・パリへのオンラインツーリズム
ヨーロッパの観光地として日本人からも人気の高いフランス・パリ。さまざまな会社がパリへのオンラインツーリズムを企画していますが、とりわけ格安路線のオンラインツーリズムで人気を集めているのが「Sumimasen Tours」です。
この会社では「パリとその近郊の旅」を、1回につき約2時間の日程で開催しています。先ほどのスリランカツアーのようにグッズは付きませんが、参加料金は1,500円と安く、気軽に申し込めることが最大の魅力です。また、催行寸前に参加申し込みができることも特徴といえます。
ツアーガイドを務めるのは、フランスへの留学歴を持ち、パリの魅力を知る日本人の一般女性です。プロではなくこういった人材を起用することで、企業側はガイドへの高額なコストがかからないため、低価格化を実現させる要因の1つとなっています。
ツアーはルーヴル美術館からパレ・ロワイヤル、パッサージュ、オペラ座、ヴェルサイユ宮殿を巡る内容です。実際に現地を訪れると2~3日はかかる観光ルートですが、わずか2時間で回れることもオンラインツーリズムならではの魅力といえます。
ハワイへのオンラインツーリズム
日本人にとって海外旅行先として、最も馴染み深いスポットのひとつがハワイではないでしょうか。多数の企画会社がハワイへのオンラインツーリズムを開催していますが、国内の旅行会社として最大手であるHISでもツアーの販売を行っています。
これは、現実の旅行でも予約困難な「キャプテンブルース天国の海ツアー」をオンラインツーリズム化させたものです。「天国の海」として世界的にも有名なサンドバーの風景を、ライブ中継で眺めることができます。
ツアー当日は、現地在住のベテランガイドが「天国の海」に関する歴史を紹介します。ツアー参加者はガイドとの質疑応答ができるほか、カメラアングルのリクエストにも応えてもらうことができます。
こちらもお土産などのグッズは付きませんが、その場にいるような感覚で使えるZoom用の背景写真が特典としてプレゼントされます。1日で訪問できる人数が制限されている天国の海を、日本から満喫できるお得なパッケージといえるでしょう。
このオンラインツーリズムの開催時間は約1時間で、料金はUS$20.00(日本円で約2,200円の設定)となります。HISは格安で海外旅行を提供していることで有名ですが、その期待を裏切らない価格設定といえます。
ハワイに関するツアーは、他にも独特な内容のものを多く見つけられます。旅行を体験しながら英会話レッスンを受けられるツアー、B級グルメを体験できるツアー、ソープ作り体験がパックになったツアーなど、オンラインツーリズムにおける激戦区ともいえる旅先の1つです。
愛媛県大洲へのオンラインツーリズム
冒頭でご紹介したスリランカのオンラインツーリズム企画を提供する「合同会社あうたび」では、日本国内へのオンラインツーリズムも手掛けています。その中でも満員御礼の人気を誇ったのが、愛媛県の大洲を訪れるオンラインツーリズムです。
大洲市は「伊予の小京都」と呼ばれる城下町で、大洲市が企画協力を行いバックアップしています。このツアーの目的は、日本三大芋煮の1つである「大洲のいもたき」と、日本三大鵜飼いの1つ「大洲の鵜飼い」の両方を訪れることになります。
この企画は、オンラインツーリズムそのものが目的というよりは、地元の生産者を応援することを第一の目的に据えていることが特徴的です。そのため、画面を通じて触れ合える人物は、地元で活躍する生産者の方ばかりです。
3種類の「地域応援セット」を購入すると、こちらのオンラインツーリズムに参加する権利が得られます。セットの中身は地元の日本酒や芋煮、鮎料理、缶詰などの食料品のほか、ロゴ入りの風呂敷など、都心では入手が難しいものがラインナップに加えられています。
ツアーのガイドを務めるのは、地元で有名なローカルタレントや大洲城のガイド、地元ホテルのスタッフや支配人、農家、芋煮伝道師、鵜匠などです。いずれも各方面でのスペシャリストであり、実際の旅行では出会うことが難しい人物ばかりといえるでしょう。
すべてライブ中継で行われるオンラインツーリズムなので、参加者による質問が受け付けられることもあります。グッズとして届く芋煮を食べながらオンライン飲み会も行えるため、見所満載で参加者の満足度も高いイベントとなっています。
まとめ
気軽に旅行へ出掛けることが難しい昨今、たくさんの旅行会社やイベント会社がオンラインツーリズムの企画を行っています。ここで紹介したプランはいずれも有料ですが、増枠を行っても満員御礼となった人気企画も存在しました。
国内の自治体とタイアップを組み、生産者を応援できるツアーを組めることもオンラインツーリズムならではの魅力です。新しい旅行の形として、お得さを打ち出せるビジネスとして、コロナ禍が収束した後も一定の需要を維持することになるでしょう。
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