この記事が気に入ったら
いいね!しよう
町おこしを成功させるには?実際の成功事例・アイデアも紹介!
人口の流出によって活気を失っていく町を再び盛り上げるために町おこしをしたいけれど、どの様に取り組めば良いのかわからない。
その様なお悩みをお持ちの方は、ぜひこの記事をご一読ください。
町おこしへの取り組み方と、実際に成功を収めたアイデアの具体例を紹介します。
町おこしとは
町おこしとは、地域の人口を増加させたり、経済と社会を活発化させたりするための取り組みのことです。
「街おこし」「まちおこし」と表記される場合もあり、また村の場合には「村おこし」、そしてこれらをまとめて「地域おこし」と表現することもあります。
2014年に安倍政権によって開始された政策である「地方創生」と共通する部分もありますが、町おこしは商工会や農協といった地元の団体や地域住民による主体的な取り組みに対して町おこしという言葉が使われる傾向にあります。
町おこしの実際の取り組み
ここからは町おこしを行うために、実際にどの様に取り組めば良いのかを見ていきましょう。
人口の増加
町おこしにおいて真っ先に挙げられる取り組みが人口増加を目的としたものでしょう。
地方の衰退の根本的な原因の1つが人口の減少であり、その解決のためには、住民の流出を減らし、さらに外部からの移住を促進する必要があります。
具体的な取り組みとしては、Iターン・Uターン移住の支援や、空き家や公営住宅の提供、家賃補助といった居住支援、若年層増加のための子育て支援となどの経済的支援が挙げられるでしょう。
また、それと併せて保育所の整備といった子育て環境の充実、学校施設を始めとする教育環境の向上、インフラの整備など、住みよい環境を整えることも重要です。
ただし、経済的な支援や環境の整備は潤沢な予算が必要となりますが、過疎化が進む自治体ほど継続的な実施が難しいという側面があります。
また、実際に経済的な支援によって一時的な移住が見込めたとしても、長期的な定住に結びつくかどうかはわかりません。
そのため、新たな産業の創出や企業の誘致などによって雇用を生み出し、自然と人が集まる循環を生み出すことも人口増加のためには重要な施策となります。
産業の振興
2つ目に、町おこしのためには産業の振興にも取り組む必要があります。
産業の衰退は雇用の減少に繋がり、雇用が無くなると人口は流出していきます。
そのため、産業の振興は上記の人口増加という観点からも重要な施策であるといえるでしょう。
産業の振興は行政主導による取り組みで実現することは難しく、企業や工場の誘致によって雇用を生み出すことがポイントとなります。
そのためには企業側にメリットを提供する必要があるため、各地域の実態に即した企業誘致のための戦略を立てることが重要となります。
具体的には、工場等を誘致するための用地の整備や特定業種・業態に対する優遇措置の実施、誘致のための条例や規制緩和、ベンチャー企業の支援といった施策が挙げられるでしょう。
また、企業の誘致以外にも、6次産業化、地域のブランド化、後継者の育成と事業承継、地場産業の付加価値向上、観光業への取り組みなどが挙げられます。
観光客誘致
観光客を増やす取り組みも地域の経済活性化には非常に有効な取り組みです。
観光に訪れる人が増えればレジャー施設や宿泊施設といった観光業はもちろん、小売業や卸売業といった業種にまで経済的なメリットが及び、それにともなった雇用も生まれます。
観光客を誘致するために最も重要なポイントは、その地域ならではの観光資源を見極めてPRすることです。
伝統的な文化財や綺麗な海を始めとする自然環境などが観光資源として魅力的であることは言うまでもありませんが、必ずしもその様な分かりやすいものだけが観光資源になるわけではありません。
その地域に住む人にとっては当たり前のものでも、他の地域や外国の人にとっては観光で訪れる理由に十分なりえる可能性は十分にあるのです。
B級グルメやご当地キャラといった名物を作ることで観光客を誘致する方法もありますが、他の地域との差別化が難しいため、よっぽど上手くいかない限り一時的な集客にしか繋がりません。
それよりも上記の様に、地域ならではの特色を強みとして打ち出すことで、観光地としての価値を高めることができるでしょう。
町おこしの成功例・アイデア3選
上記の取り組みを踏まえ、具体的な町おこしの成功例を紹介します。
長崎県五島列島小値賀町
1つ目の町おこし成功事例として紹介するのは、長崎県の小値賀町です。
小値賀町は17の島から構成される人口2500人の町で、かつては特別有名な観光資源や産業を持っていませんでした。
しかし2006年に小値賀町の観光業を担う中核機関として「NPO法人おぢかアイランドツーリズム協会」を設立し、観光業への注力を開始。
小値賀町の一般家庭にホームステイし、島暮らしを実際に体験することができる民泊事業や、小値賀町の古民家をリノベーションして宿泊施設として提供する古民家事業を開始したところ大きな反響を呼び、「エコツーリズム大賞特別賞」、「JTB 交流文化賞最優秀賞」、「毎日新聞社グリーンツーリズム大賞優秀賞」、といった様々な賞を受賞し、観光業の売上は1億円を突破するまでに至りました。
特別な観光資源が無い中、島での生活体験そのもの観光資源として提供したことで大きな成功を収めた事例であり、他の地域でも実践可能な町おこしのモデルケースとしても注目を集めています。
沖縄県の企業誘致
沖縄県は最低賃金の低さを強みとして企業誘致に成功している県です。
沖縄県は「情報通信産業特別地区」に指定されており、国と連携した取り組みによってIT関連企業を積極的に誘致しています。
その結果、県内でのIT企業の雇用者数はコールセンター勤務を始めとして3万人近くにも上ります。
成功の理由は、上でも述べたとおり人件費の安さにあります。
人件費を抑えるために賃金が低いアジアなどの海外に進出する企業は少なくありませんが、沖縄県は国内でも最低賃金が低く、それらの諸外国と比較しても遜色ないコストメリットを得ることができます。
情勢不安によるカントリーリスクや技術流出の危険性なども考慮した場合に企業が人件費を押さえるために沖縄に拠点を置くメリットは大きく、最近ではIT関連企業以外に、製造業から注目を集める地域となっています。
北海道東川町
最後に、子育て世代の移住誘致による町おこしで人口増加に成功した北海道東川町の事例を紹介しましょう。
北海道ではここ20年間でおよそ30万人以上の人口が減少しており、さらに北海道第一の都市である旭川市の人口が約20万人増えていることから、北海道の地方都市は非常に厳しい過疎化に晒されている状況といえます。
そんな中、旭川市の隣に位置し、都市部とは言い難い東川町は、なんと同期間で約2割もの人口増を達成しているのです。
その要因となったのが、子育て世代の誘致成功です。
東川町では教育環境の充実に力を入れており、2002年には幼保一元化施設「ももんがの家」を開園。
さらに2014年にはサッカー場や野球場、果樹園や体験農園といった施設が充実した東川小学校を新設しました。
この様な取り組みの成果もあり、東川町では年間の新生児出生数が50人程度であるのに対し、小学校への入学者は約70人と、外部から子育て世代を呼び込むことに成功しています。
また、上記の様な教育に適した環境づくりと並行して行ったのが住環境の整備です。
東川町では「グリーンヴィレッジ」と呼ばれる分譲地を用意し、土地代を含み約3500万円程度で戸建て住宅を建てられるようにしました。
グリーヴィレッジに住宅を購入する人は屋根や壁の色が制限され、敷地の20%以上を緑地化するという「建築緑化協定」を結ぶ必要があるため、景観の整った緑あふれる環境の中で子育てを行うことができることから、多くの子育て世代を獲得しました。
東川町はターゲットを子育て世代に絞り、そのための環境を整えることで人口増加に成功した町おこしの成功例と言えます。
まとめ
町おこしに取り組む方法と具体的なアイデアを紹介しました。
町おこしのアイデアを考える際には、各地域の実態に即した戦略を立てることが重要です。
ぜひこの記事で紹介した内容を参考にしてみてください。
|
|
|