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ツーリズムとは?意味や旅行・観光との違い、種類をわかりやすく解説
観光のジャンルでは「ツーリズム」という言葉をよく耳にします。
特に近年は、「ニューツーリズム」と呼ばれる取り組みが、国内外を問わず注目を集めています。
ニューツーリズムにはさまざまな施策が存在しますが、いったいどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、ツーリズムの意味やニューツーリズムの具体的な種類について詳しく解説します。
・ツーリズムとは?
はじめにツーリズムとは、単なる観光旅行のみならず、観光事業や旅行に関連する事柄の全体を指す、とても広い意味をもった言葉です。
また、観光というジャンルの促進活動を指して使用する場合もあります。
「旅行」「観光」との違い
「観光」や「旅行」といった言葉と「ツーリズム」には、どのような違いがあるのでしょうか。
観光はレジャーなど休日の遊びといった印象がありますが、ツーリズムはジャンルによって教育や学習、産業振興などさまざまな側面をもちます。
つまり、多種多様な目的によって人々が動く事象をまとめてツーリズムと表現することもできるのです。
これまでの観光旅行に終わらない「ニューツーリズム」が重要視されている
近年では、地域の活性化につながる「ニューツーリズム」が重要視されています。
ニューツーリズムとはこれまでの一般的な観光旅行よりもテーマ性が強く、体験型で新しいタイプの旅行です。
地域の特性を活かした旅行商品にできるため、地域活性化につながるとして期待が高まっています。
・地域活性化・訪日客増につながるニューツーリズム10種類
それでは、インバウンド客の増加や地域の活性化が期待されるニューツーリズムには、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは10種類に分けて詳しく解説します。
グリーンツーリズム
グリーンツーリズムとは、農業や漁業など第一次産業に携わる方との交流がメインテーマとなるツーリズムです。
都会に住む人が自然環境や地域住民と触れ合う機会を得られるだけでなく、食育や新産業の創出といった効果も期待されています。
エコツーリズム
エコツーリズムは、地域それぞれの歴史文化や自然環境といった魅力を観光客に伝えていく、環境教育の側面をもった取り組みです。
エコツーリズムを通じて自然環境と触れ合うことで、環境保全や地域振興への関心が高まります。
地域住民にとって、地域資源の価値を再確認する機会となり、地域の活力向上が期待されています。
ヘルスツーリズム
「医療費削減」「新たな市場の創出」「雇用拡大」といった経済効果が見込まれるのが、ヘルスツーリズムです。
ヘルスツーリズムでは、温泉施設や森林浴に代表される地域の健康資源を活かした企画が特徴的です。
旅行の目的に癒やしや休養を求める方は多いので、そのジャンルに特化したツーリズムとなっています。
スポーツツーリズム
スポーツツーリズムは、スポーツにおける試合観戦などの移動に伴う観光や、宿泊に狙いを定めたツーリズムの一種です。
例えばプロスポーツチームの本拠地となっている自治体の場合、チームそのものが地域資源であり、多くのファンを呼び込むきっかけとなります。
競技に直接関係する部分のみならず、観光や文化といったジャンルとうまく組み合わせることで、より大きな効果を生み出すことができます。
インダストリアルツーリズム
「インダストリアル」とは、「産業的」「工業的」といった意味合いをもつ言葉です。
工場機械やその建物、生産の現場や産業製品といった産業文化財の価値を正しく伝えるのがインダストリアルツーリズムです。
例えば、日本には町工場に受け継がれてきたような独自の誇れる技術や産業文化がたくさんあります。
インダストリアルツーリズムをきっかけに、これらの技術や文化の普及促進と、さらなる発展が期待されています。
スローツーリズム
従来のように旅行先での効率を重視するあまり、観光資源を駆け足で通り過ぎてしまうような旅行形式には、地域社会への負荷が少なからずありました。
そこで生まれたのが、スローツーリズムという考え方です。
「スローライフ」や「スローフード」といった志向に応え、個人の意思に沿って自分なりの新しい発見や、人々との触れ合いを楽しむツーリズムと定義されています。
メディカルツーリズム
これまでの「観光」や「文化」といった一般的なツーリズムのジャンルとは異なるのが、メディカルツーリズムです。
自分の住む地域では受けることができない医療サービスを求めて、他国や他の地域を尋ねることを指します。
求められるのは最先端の医療技術だけではなく、医療費や待機時間の問題など、患者によってさまざまです。
日本国内では、外国人向けの健康診断ツアーなどが存在します。
サスティナブルツーリズム
サスティナブルツーリズムとは「持続可能な観光」を指します。
例えば、観光客の過度な受け入れによって生じるオーバーツーリズムは、地域住民の日常生活や自然環境の保全に多大な悪影響を及ぼします。
そのようなことがないように、環境への配慮を前提とした観光設定をおこなうことがサスティナブルツーリズムです。
「SDGs」という言葉が広く知られるようになった現代において、観光を目的として地域の文化や自然環境が犠牲にならないように、サスティナブルツーリズムを取り入れる動きがはじまっています。
ダークツーリズム
人々の「悲しみ」「苦しみ」といった記憶をたどる旅をダークツーリズムと呼びます。
主に災害や戦争などにより命を落とした方、その関係者の悲しみを共有するような内容です。
観光や娯楽とは異なり、悲惨さに向き合うことで得られる学びが目的となっています。
ガストロノミーツーリズム
食事と、さまざまな文化的要素との関係性を考えることを「ガストロノミー」といいます。
ガストロノミーツーリズムとは、単にその地域の美味しいものを食べるだけでなく、その背景にある食文化に触れ、学ぶことを目的としています。
2022年には「ガストロノミーツーリズム世界フォーラム」が初めて日本で開催されるなど、関心が高まっているツーリズムの一種です。
ガストロノミーツーリズムを推進することで、地域の伝統を活かしながら、食文化の発信や地方経済の発展につながる可能性が期待されています。
その他のニューツーリズム
ここまで紹介した10種類以外にも、映画やアニメのロケ地を巡る「聖地巡礼」やサイクル観光による地域活性化、さらには宗教の聖地を資源化する動きまで、多くのニューツーリズムに関する取り組みが進められています。
人が動くときには何らかの目的があり、その目的に沿って周辺環境を整備することでさまざまなジャンルでツーリズム化が進んでいます。
・まとめ
今回紹介したように、ツーリズムの種類は、旅行客の目的や地域の環境によって多岐にわたります。
新型コロナウイルスの影響により観光業界は大きな影響を受けましたが、今後は人々の動きを予測してニューツーリズムへの柔軟な対応が要点となっていくでしょう。
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