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海外 台湾
日本人の旅行先としていまや定番となっている台湾。
東京からのフライト時間が約4時間という点も魅力のひとつです。
また日本国内での台湾スイーツ・グルメの人気ぶりなどもあり、身近に感じる方も多いのではないでしょうか。
一方の台湾は、親日家がもっとも多い国ともいわれおり、日本の災害時には多額の義援金が届けられました。
そこで今回は、台湾の人々がなぜここまで日本に好意的なのか、歴史や背景をもとに紐解いていきます。
まず、台湾人の親日ぶりが実際にどのくらいのものなのか、データをもとに解説します。
台湾の民間団体である民意教育基金会が2018年に公表した世論調査の結果によると、「日本に対していい印象をもっている」と答えた台湾人は84.6%にのぼります。
また、日本台湾交流協会が2019年に発表した調査では、「もっとも好きな国」「もっとも親しくすべき国」として日本が1位に挙げられました。
このように、多くの台湾人が日本に好印象をもっていることがうかがえます。
台湾人にとって、日本は旅行先としても人気です。
2018年の調査によると、海外旅行先に選びたい国として、2位以下を大きく引き離し日本がトップになっています。
日本政府観光局(JNTO)によると、2018年には475万人の台湾人が日本を訪れており、またその数は年々増えています。
ちなみに国内の都道府県別訪問先は、多い順から大阪府・東京都・千葉県・京都府・沖縄県です。
ショッピングやグルメのほか、京都ではSNSで映えるお寺巡りも人気です。
沖縄に関しては直行便で1時間半であるため、その手軽さも人気となっています。
また、日本と台湾の時差はたった1時間です。
さほど体力的なストレスを感じずに海外旅行を楽しめることも、魅力のひとつといえるでしょう。
日本製の商品は台湾で高い人気を誇ります。
日本製品を「自分へのご褒美」として購入する台湾人は、42%にのぼります。
これは日本製品のブランド性や品質の高さ、安全性を物語っているといえるでしょう。
ジャンルとしては生活家電の需要がもっとも高く、ついで洋服、お菓子、医薬品と続きます。
お菓子や医薬品は、他国と比較しても人気が高い分野です。
日本が台湾人にとって気軽に訪れられる国であるうえに、リピーターの多さも一因となっているでしょう。
日本への関心の高さは、日本語能力試験(JLPT)の受験者数からもみてとれます。
2019年の試験応募者は、43,131名にのぼりました。
国・地域別では中国・ベトナム・韓国につぐ第4位ですが、人口比にした場合の割合は台湾がもっとも高く、日本語学習への関心の高さがうかがえます。
有事の際の支援からも、台湾における親日感情を読みとれます。
2011年の東日本大震災発生当時、台湾から日本に贈られた義援金は200億円という莫大な金額でした。
そしてこの義援金以外にも、台湾の人たちからの手厚い支援を示すエピソードがあります。
震災発生後、台湾の財団法人「佛教慈済慈善事業基金会」という団体は、茨城県大洗町・岩手県大船渡・陸前高田市、宮城県石巻・気仙沼市など被害の甚大な場所におもむいて、炊き出しを行いました。
このとき届けられた救援物資は、数十トンにおよぶといわれています。
またこの団体は、被災地を訪れた際に独自に住民へ現金配布をしていました。
配布場所に来ることが困難なお年寄りに対しては自宅への訪問まで行い、手渡しをしたそうです。
日本も台湾に対してたびたび支援を行っています。
直近では、新型コロナウイルスワクチンの供与が挙げられます。
感染が拡大し、ワクチン不足に悩まされていた台湾へ、2021年5月に日本からアストラゼネカ製ワクチンが送られました。
長年にわたって繰り返されてきた恩返しのやりとりが、双方の良好な関係性に寄与しているといえます。
台湾に親日家が多いことはおわかりいただけたでしょう。
しかし、なぜ台湾人は日本に好意的なのでしょうか。
どういった背景があるのか、その歴史をさかのぼってみました。
台湾は1895年の日清戦争後に清から日本へ割譲され、1945年の日本敗戦まで50年間、日本の統治を受けています。
これが台湾における日本統治時代です。
日本による統治の結果、交通手段の整備や水力発電所の建設による工業化の推進、衛生面の改善による伝染病の撲滅など、多方面へ発展をもたらしました。
また同時に、日本は台湾の子どもたちを小学校に通わせ、日本教育・日本語教育を行いました。
当時の学生は台湾で「日本語世代」と呼ばれており、必然的に日本語や日本文化と触れ合う機会が多かったといえます。
日本統治時代のこのような経済発展や就学率の上昇により、「日本がインフラを整えたことで、今の台湾がある」と、日本に対していい印象をもっている台湾人が多いのでしょう。
戦後の台湾は中国により統制を受けていましたが、80年代後半からは民主化が促され、メディアの規制緩和や日本文化の解禁が行われました。
すると90年代、「哈日族(ハーリーズー)」と呼ばれる若者たちが出現し、社会現象となりました。
「哈日」とは「日本のことが好きでたまらない」という意味です。
近代において熱狂的な日本ブームが社会を席巻したことも、台湾人がいまだに日本に親しみを感じる理由のひとつです。
実際に台湾を訪れることで、「親日」を感じることもあります。
日本統治時代に建築された建物がそのまま残されていることも、代表例のひとつといえるでしょう。
台湾に浸透している日本文化についてもご紹介します。
日本食の人気が高い台湾には、日本の飲食チェーン店が数多く展開しています。
とくにラーメン店「一蘭」「一風堂」などは、休日に行列ができるほどの大人気です。
牛丼チェーンの「吉野家」「すき家」「松屋」はもちろんのこと、「CoCo一番屋」や「丸亀製麺」なども展開されています。
日本から来た飲食店は台湾にとって高価格帯にもかかわらず、日本食は総じて人気があります。
台湾では、「日式」と表記されている商品が人気です。
「日式」とは、「日本風の」「日本式の」という意味合いをもつ言葉です。
たとえば「資生堂」や「ニベア」、「FANCL」など、日本の大手ブランドの化粧品は台湾でも人気が高く、化粧品などのポスターには日本の芸能人が起用されることも多くあります。
「日式」であることがひとつのブランドとして確立するほどの、信頼性の高さを物語っています。
台湾では、日本のテレビ番組を視聴している家庭が多く、幼いころからテレビを通じて日本のトレンドに触れてきた台湾人も多いです。
日本の番組を専門とする有料チャンネルも人気で、とくにアニメやドラマは人気コンテンツとなっています。
日本国内においても、台湾の人気が高まっています。
2018年に海外旅行をした人を対象とした調査では、人気の旅行先第1位が台湾であり、これは5年連続の記録です。
近年はタピオカブームや夜市巡りといった、台湾グルメや台湾スイーツに対する注目が高まっています。
直行便の多さや地理的な近さも後押しして、「身近な海外」という認識が広まっているのでしょう。
日本と台湾は、観光地としてもお互いに惹きつけ合う良好な関係にあることがわかりました。
近年日本国内では、観光客だけに依存してきた過去を脱却し、地域と深く関わる「関係人口」を増やそうとする動きがあります。
多様な関わり方を目指すものであり、その対象は海外にもおよびます。
実際に、インバウンドの強化や相互交流の活性化を目的として、台湾との関係人口構築に取り組んでいる自治体もあらわれました。
親日家の多い台湾との交流は、現在の観光や消費という枠組みから、より深く双方の発展につながるものへと進んでいくことでしょう。
そのためにも今一度歴史や背景を学び、親日家の多い台湾に興味をもつことからはじめてみてはいかがでしょうか。
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