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佐賀県 鳥栖市神辺町
私はアメリカ出身のクリス・ウィリアムズです。大学時代に日本に留学に来たのがきっかけで日本が好きになり、アメリカに帰った後もまた来日し約8年以上ずっと日本で働いています。特に歴史が好きなのですが、今回は、弥生時代の遺跡をそのまま復元してあるという吉野ケ里遺跡を訪ねました。
JR博多駅から電車で約1時間(860円)、吉野ケ里公園駅で下車し、駅から歩いて15分ほどのところにある吉野ケ里歴史公園へと向かいます。
この公園にある吉野ケ里遺跡は、約30年前に発掘された紀元前5世紀から紀元3世紀まで約700年間続いた弥生時代の遺跡で、700年の間ずっと人が住み続け、発展し続けた様子が今に残されている貴重な遺跡です。本物の遺跡は風化を防ぐために地中に保存したまま、その上に遺跡を復元しているそうです。
公園全体の面積は約117ヘクタール、ぐるりと歩いて一周すると半日かかるくらい広大な敷地には、無料の園内バスも走っていて便利です。
公園の入り口から少し歩くと物々しい木製の杭で出来た壁とお濠の跡(二重環濠)が見えてきました。その廻りにも地面から外側に向けて埋められた逆茂木と呼ばれる木製の杭がたくさん並んでいます。この内側が古代のムラになっていますが、これらの設備は全て野生動物ではなく、侵略に来た人間の侵入を防ぐために作られたのだそうです。
まずは一般人が暮らしていた南のムラを通り、高床式倉庫が立ち並ぶ倉と市と呼ばれる区画へ。そして物見やぐらが聳える南内郭では、そのうちの一つに登ってみました。約12mの物見やぐらは登ってみるとかなりの高さがあり、遠くまでよく見渡せます。
人々の住む家は半分地下に作られています。こうすると夏は涼しく冬は暖かいのだそうです。でも大雨のときは大変だったでしょうね。
そこから北にある北内郭はかつての政治の場で、木杭の壁も高く、お濠も深くなって警備が厳重になっていました。
さらに北へ進むと古代のお墓、甕棺(かめかん)が再現された甕棺墓列が広がっています。そこを過ぎると本物の甕棺がそのまま残してある北墳丘墓があり、約2200年前の甕棺そのものを見ることが出来ます。その光景はまるでタイムスリップしたかのようで、亡き人を弔う古代の人々の囁きが今にも聞こえてきそうでした。
見学を終えた後は、弥生くらし館で勾玉作り体験に参加しました。所用時間は約1時間、200円~250円で体験できます。四角い石を砥石で削って、古代の人々のアクセサリーだった勾玉を作っていきます。石の色は4色から選ぶことが出来ますよ。
だんだん勾玉の形になってきました。
最後は水を付けながら紙ヤスリで磨いて整えて完成です!自分の手で一から作った勾玉は、私の大切なアクセサリーの一つになりました。
園内では、ほかにもバーベキューやディスクゴルフ、園内で飼育しているウサギなど小動物とのふれあい、火起こし体験、勾玉の他に古代の副葬品であった鏡や剣などの物作り体験など、様々なレクレーションが楽しめるようになっています。
(コロナウイルス対策で現在は実施見合わせ中のものもあります)。
吉野ケ里歴史公園
また、吉野ケ里歴史公園の近くには「吉野麦米」という人気の市場があります。カフェや石窯パン工房では焼き立ての美味しいパンやスイーツが楽しめ、産直の野菜や果物・作り立ての豆腐などの加工食品が並ぶマーケットでお買い物ができます。
他にも吉野ケ里で65年以上営業をされている「北村醤油醸造」では、脊振山系の清らかな水を使った醤油や味噌が製造されています。
(北村醤油醸造 公式ホームページ https://www.kitamura-jyozo.com/ より)
吉野ケ里では、まさに2000年以上も前の時代の人々の暮らしぶりに触れる貴重な体験が出来ました。古い時代に生きた人々の足跡を辿る旅に、吉野ケ里町へ是非出かけてみてはいかがでしょうか。
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