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2020.09.16

移住・定住

ワーケーションとは?概要やメリット・注意点、企業による事例を紹介

記事投稿者 みんなの観光協会<第3編集部>

所在地: 佐賀県基山町

みんなの観光協会の第3編集部です! 地方創生や観光系、地域活性系のニュースを定期的に配信します。

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働き方改革の一環として登場したワーケーションは、コロナ禍による在宅勤務の増加により、さらに注目を浴びるようになりました。日本でもワーケーションを導入する企業が増えていますが、そもそもワーケーションとはどのようなものなのでしょうか。

 

この記事では、ワーケーションの概要やメリット・注意点、そしてワーケーションを導入した企業の事例までご紹介します。企業にとって、そして従業員にとってどのような制度なのか、ぜひチェックしてみてください。

 

 

ワーケーションとは

 

ワーケーションとは、ワーク(Work)とバケーション(Vacation)を組み合わせた造語です。日本で一般的にその名が知られるようになったのはつい最近のことですが、アメリカでは2000年頃には既にワーケーションを導入した企業が存在していたといいます。

 

ここにきて日本でワーケーションが注目を集め始めている背景には、日本の有給取得率の低さが大きく関与しています。休みながら仕事ができる環境を整えて、従業員が気を遣わずに休暇を取るための方法論として、ワーケーションが活用されはじめているのです。

 

さらに、昨今のコロナ禍がこれを大きく後押しする形になったといえるでしょう。

 

 

テレワークとの違いについて

ワーケーションと似た働き方として、コロナ禍の中では「テレワーク」を導入する企業が激増しました。この2つがどのように違うのかというと、簡単に言えば「休暇中に働く」のか、「オフィス以外を使って通常に業務する」のかという違いです。

 

テレワークは、あくまでも通常の業務を、オフィス以外のどこかの場所を使って行うという意味です。テレ(Tele)は「離れた」という意味の日本語として扱われるので、休暇ではなく、普段通りに働いているという扱いになることが一般的といえます。

 

一方でワーケーションのベースは「休暇」になります。数日間から数週間程度の休暇の中に仕事を組み合わせるというのが基本的な考え方です。そのため、仕事場となるのは旅行先のホテルや旅館、あるいは帰省先の実家などになることが普通です。

 

 

ワーケーションのメリットとデメリット

 

ワーケーションを導入することにより、企業と従業員はそれぞれどのようなメリットを得られるのでしょうか。双方が感じられるワーケーションのメリットについて、デメリットも交えながら項目別に詳しくお伝えします。

 

 

企業側が感じられるワーケーションのメリットとデメリット

企業にとってのワーケーションのメリットは、第一に有給取得を促進できることです。休暇中にも仕事ができるという事実は、多くの従業員にとって安心材料の1つにもなります。上司や同僚に気を使い過ぎずに済むため、有給取得意欲が上がるのです。

 

これにより、人材を募集・採用する際に、自社の健全性を示すポイントとして活用することもできます。先進的な働き方改革を体現する企業として、競合他社を差別化できるため、より優秀な人材の採用が簡単になることも見込めます。

 

そして、エンゲージメントの向上にも強い作用を与えます。ワーケーションを取り入れることにより、従業員は旅行や帰省などの体験をしやすくなります。従業員の満足度が高まることによって、離職率低下やモチベーションの向上につなげることもできるでしょう。

 

一方でデメリットとなるのは、従業員の労働時間を管理しにくくなることです。従業員1人1人によるワーケーションの実情を把握することが困難なので、会社が設けているルールを実践しているのかが分かりにくくなります。

 

 

従業員側が感じられるワーケーションのメリット

従業員側が感じられるメリットとしては、第一にリフレッシュのしやすさを挙げられます。ワーケーションを利用することにより、土日を跨ぐ休暇を取りやすい環境を生み出すことができるため、例えばこれまでは難しかった遠方への旅行も視野に入れることが可能です。

 

家庭を持つ人であれば、長期休暇によって家族と長い時間を過ごすことができることは、モチベーションを高めることに繋がるでしょう。

 

また、集中しやすい環境で働けることもメリットの1つです。騒々しいオフィスで仕事をすることが苦手な方にとっては、ホテルなどの部屋にこもって静かに仕事ができる環境は魅力的です。自宅で働くとついだらけてしまうという方も、ワーケーションなら仕事に切り替えやすいでしょう。

 

デメリットは、オフィスとのコミュニケーションを取りにくくなることです。企業から求められている仕事内容を把握しきれずに、仕事を上手く回せないことがあります。場合によっては仕事のやり直しなどで、多くの時間を仕事に割かなければならない可能性も生じるのです。

 

 

ワーケーションを導入する際の注意点

 

ワーケーションを導入する際には、セキュリティ対策を強化するように意識しなければなりません。ワーケーション中に活用するパソコンやスマホには、企業の機密情報が詰まっていることもありますから、流出のリスクに備える必要があるのです。

 

2段階認証の導入などでリスク管理を強化すると、新たなコストが発生する可能性が高まります。対策を強化したパソコンやタブレット、スマホ、通信環境等を従業員に与える場合も、多額の初期投資が発生する可能性がある点には注意しなければなりません。

 

また、一部の従業員だけではなく、すべての従業員が平等に利用できる制度にすることも重要です。ワーケーションを利用できるのが一部の従業員に限られてしまうと不満がくすぶり始め、不協和音が発生する可能性も十分に考えられます。

 

ワーケーションの導入事例

 

ワーケーションの具体的な導入事例をお伝えします。まだ一般的な制度ではなく、先例は限られていますが、一流企業が導入した事例も見受けられました。ワーケーションの受け入れを活性化させている自治体の情報も交えてご紹介します。

 

 

JALによる事例

日本ではじめてワーケーションを取り入れたとされるのがJALです。JALでは岩手県、兵庫県、石川県、愛媛県、宮崎県の5県でワーケーションを実施しています。従業員はこれらの地域で社会貢献活動にも参加し、企業イメージの向上を図りながら従業員の満足度を高めています。

 

 

JTBによる事例

旅行会社大手のJTBでは、社長がワーケーションの試験に参加するなど熱心な改革に取り組み、ハワイにおけるワーケーション制度を確立させました。ハワイ滞在中は、勤務時間以外に観光を楽しむことが認められており、実際にこの制度の導入によって、家族や友人とハワイに出掛ける従業員が増加しました。

 

 

和歌山県による受け入れ態勢の強化事例

和歌山県では、ワーケーションを後押しするために、ネットワーク環境の強化を実現させています。有名な観光地や飲食店などにWi-Fiを利用できる環境を設置したことにより、いつどこにいても快適なネット通信を実現させ、仕事への障壁をなくしています。

 

 

まとめ

ワーケーションは「ワーク」と「バケーション」を掛け合わせた造語です。ワーケーションは、休暇をベースにしながら旅行先で仕事ができる制度であり、企業側・従業員側の双方にメリットが生じます。

 

JTBやJALなどの大企業もワーケーションを導入しており、一定の成果を残しています。和歌山県のようにネット環境を強化してワーケーションを後押しする自治体もあり、今後さらなる普及と発展が期待されている制度です。

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