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アメリカには親日の人が多い?データや人気の理由、インバウンドの特徴を調査してみました
文化や経済でのつながりが多く、なにかと関係が深い国であるアメリカ。
著名人をはじめ、実は親日家がとても多いことをご存じでしょうか。
日本の文化や歴史に深く関心を示すアメリカ人は、どのような体験を求めて日本にやってくるのか、詳しくご紹介します。
アメリカ人は親日の人が多い?データからわかる日本の人気度
台湾やタイなどに代表されるアジア諸国は親日家が多い印象ですが、実際のところアメリカ人が日本に抱くイメージはどのようなものなのでしょうか。
観光客数から動向を探ってみました。
9割以上の人が日本に対して好感を抱いている
アウンコンサルティング株式会社による2020年の調査では、「日本が好きですか?」との問いに対して、実に98%を超えるアメリカ人が「好き」もしくは「大好き」と答えています。
同調査ではアメリカ同様、日本に対する好感度が9割を超える国には、オーストラリア・台湾・香港・シンガポール・タイなどが挙げられます。
日本を訪れるアメリカ人は5年間で約2倍に
観光局のデータによると、アメリカからの訪日観光客数はコロナ直前まで増加し続けていました。
2019年の観光客数は170万人を超えており、これは2014年の約2倍にのぼる数字です。
そのうち、はじめて日本に訪れたアメリカ人は51.9%を占めています。
つまり、残りの約半数はリピーターです。
ちなみにアメリカ人にとって人気の旅行先は、隣国のカナダとメキシコを除くと1位がイギリス、2位がドミニカ共和国、3位がイタリアです。
日本は12位にランクインしています。
アメリカに親日家が多い傾向にある理由なぜ?
アメリカに親日家が多い背景には、どういった理由があるのでしょうか。
二国間のこれまでの歴史や、近年にみる日本のサブカルチャー人気から、その実態をみていきましょう。
戦後は同盟国として強固な関係が続いている
日本とアメリカは、戦後から「基本的価値および戦略的利益を共有する同盟国」という位置づけにあります。
日米同盟は現在も日本外交の基軸です。
北朝鮮問題を含むアジア太平洋情勢や、金融・世界経済問題、テロとの闘い、アフリカ開発などの国際社会が直面する課題にいたるまで、連携して取り組んでいます。
このように日米安全保障体制を中核とする日米同盟は、日米二国間関係のみならず、アジア太平洋地域の安定と発展にとって不可欠な役割を果たしているといえるでしょう。
日本のサブカルチャーが人気を博している
アメリカでは、アニメやゲームに代表される日本のサブカルチャーも人気です。
日本アニメーション振興会主催の「Anime Expo」は、北米最大のアニメ博覧会です。
アニメだけではなく、ゲームにマンガ、アイドルなど日本を代表するポップカルチャーが一度に楽しめます。
この博覧会は年々盛り上がりを増し、2019年の参加者は35万人を超えました。
その会場となるロサンゼルス・コンベンション・センターは東京ドームの1.5倍ほどの広さ。
出展企業数は350社を超えており、大手出版社やアニメ制作会社だけでなく、近年はスマートフォンアプリを提供する企業の参入もみられます。
会場にはアニメやゲームの登場人物のコスプレイヤーがひしめき、日本のサブカルチャーに熱狂している様子がうかがえます。
もはや一大産業と呼べるほどの人気ぶりであり、日本に興味を抱くきっかけのひとつになっているといえるでしょう。
アメリカへの日本人観光客・留学生の数が多い
ここまでにご紹介したような両国の関係性も相まって、日本人もまた好んでアメリカを旅行先や留学先に選んでいます。
2019年、アメリカに出国した日本人は370万人を超え、さらにハワイを含めると530万人以上となりました。
また、日本人学生の留学先としてはアメリカがもっとも人気です。
日本学生支援機構によると、2019年度の留学生のうちアメリカを選択したのは全体の16.9%です。
ついでオーストラリア、カナダが人気ですが、いずれもアメリカの半数ほどに留まります。
日本に観光旅行をする訪日アメリカ人の特徴
最後に、日本にやってくるアメリカ人がいったい何を目当てに、どのような観光をしているのかについて解説します。
最近はSNSの影響もあり、さまざまな目的をもって日本を満喫しているようです。
訪日アメリカ人に人気の都道府県・国内観光地
アメリカ人に人気な観光スポットとしては、テーマパークのなかでも「チームラボボーダレス」や「チームラボプラネッツ TOKYO」などのアートミュージアムが上位を占めています。
人気スポットから、商品の購入よりも実際に体験できるもの、いわゆる「コト消費」への関心の高さがうかがえます。
また、「AKIHABARAゲーマーズ本店」などのサブカルチャーに関するスポットも大人気です。
続いて都道府県ごとの訪日観光客国別の割合をみてみると、広島県の人気が目立ちます。
この理由は、広島平和記念碑(原爆ドーム)を訪れる観光客が数多くいるためです。
同所での2015年から2019年までの国別観光客数は、アメリカが1位です。
その間の伸び率は1.8倍ほどとなっており、原爆投下がされた現地の実相を学びたいという関心の高さがうかがえます。
また、アメリカ人が旅行に求めることを着目してみると、おもしろい傾向がみえてきました。
日本人が海外旅行の目的に「食」を重視するのに対し、アメリカ人は「冒険心を満たすこと」に重きを置いているようです。
旅行先の体験談をみると、日本人は「食べ物・ドリンク」が多くなっています。
一方でアメリカ人は、「民族文化体験」「現地の人の生活体験」など、その土地の生活に関わる要素、つまり非日常体験に興味を抱いています。
「食」についても、日本人はミシュラン掲載店などを好むことが多いようです。
対してアメリカ人は、現地のローカルフードを求める傾向が強いとされています。
近年大阪のインバウンドが急激に伸びているのも、寿司や天ぷらなど定番の日本食ではなく、独特の食文化が観光客の冒険心をくすぐるからでしょう。
訪日アメリカ人の旅行スタイル・滞在日数
アメリカ人の特徴的な点は、旅行の個人手配比率が非常に高いことです。
アジア諸国の観光客が比較的安価な団体ツアーを利用するのに対し、コストよりもいかに自由に動けるかを重視しています。
先述の“冒険好き”はこんなところにも影響しているようです。
滞在日数は他国よりかなり長期間におよび、7~13日の滞在がもっとも多くなっています。
14~20日の滞在を合わせると全体の70%を超えます。
アメリカは休暇をとりやすい文化であることや、地理的な影響も大きいようです。
訪日アメリカ人のインバウンド消費額・支出内訳
訪日アメリカ人の消費額のうちもっとも多くを占めるのは、宿泊料金で、約40%です。
ついで飲食費、交通費と続き、買い物への消費額は4番目となっています。
中国を筆頭にアジア圏では買い物への消費額が大きいですが、やはりアメリカ人のお金の使い道はモノよりコト、体験を重視する傾向が強いといえるでしょう。
訪日アメリカ人が主に使う情報収集ツール
旅行手配の傾向からもわかるように、アメリカ人は情報収集の手間を惜しみません。
頼りにするのはガイドブックや旅行情報サイトだけではなく、口コミサイトや、親族・知人などの口コミです。
実体験を重視するアメリカ人らしさが、こうしたところにもあらわれています。
訪日アメリカ人に人気のお土産
「モノ消費」より「コト消費」のアメリカ人が購入するお土産とは、どんなものでしょうか。
ご想像のとおり、免税店にはあまり興味が向かない模様です。
そもそも旅の目的として買い物の優先順位が高くないので、帰りの空港でたくさんの荷物を抱えるようなことは、アメリカ人にはめずらしいかもしれません。
そんなアメリカ人でも他国と比べて割合が高くなっているのは、観光地の土産店での消費活動です。
やはり日本らしいものやアメリカではめずらしいものに惹かれるようですね。
まとめ
親日家の多いアメリカ人の消費活動やその傾向について、さまざまな特徴があることがわかりました。
体験を重視し、口コミや実体験の感想を大切にするアメリカ人にとって、地元の人との交流もまた旅の楽しみのひとつであるといえるでしょう。
日本に住む私たちもおすすめの体験スポットを紹介するなど、コミュニケーションをとることが重要です。
訪日アメリカ人観光客と接する機会をもち、ぜひ積極的に日本の魅力を伝えてみてはいかがでしょうか。
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