キャンペーン
佐賀県 鳥栖市神辺町
PICFAは、2017年7月、医療法人 清明会 きやま鹿毛医院内に障害福祉サービス事業所としてオープンしました。院内に障害者就労支援事業所を設けた施設としては日本初となります。就労継続支援B型という施設形態で、知的障害や自閉症、ダウン症、精神障害などの「障害のある人たち」が創作活動を「仕事」にしています。
医療法人 清明会 きやま鹿毛病院の外観。院内の受付がPICFAへの入り口です。
※現在は、コロナ対策のため入口は裏手になります。
PICFAは、PICture(絵画)+ welFAre(福祉)からとった造語で、ピクファと読みます。
創作活動と福祉の両方を追い求めることを意味しています。
メンバー(作品を制作するひと/障がいのある利用者)は現在 17名。創作活動は、絵画制作および販売、デザイン、イラストの提供、壁画、ライブペイント、各種ワークショップの提案および実施と多岐に渡ります。最近では、企業や自治体などに対するコラボレーションやブランディングに携わる機会が増え、世界を視野に入れた活動を展開しています。
化粧品ブランド「NESNO」とのコラボレーションにより限定パッケージをデザイン。全国のイオン(九州エリアの除く80店舗)で販売されています。
基山町立図書館の図書バッグをデザインしました。毎年、基山小学校と若基小学校の1年生へ無料配布を行い、現在は三年生まで全員持っている図書バッグは東京などでのイベントによる販売も好評です。
創作活動を行う作業室は「P」「I」「C」「F」「A」と5つの部屋があり、アルファベットが描かれたドアは色分けされていて、メンバーにも認識しやすい見た目となっています。
アルファベット「C」が描かれたドア
院内の手術室を再利用した大作業室。一見手術室だったとはわからない、創作活動になじんだ空間になっています
外部からは見学者が訪れるだけでなく、おじいさんおばあさんのおしゃべりの場、置いてある絵本をみにくる子供たちの遊び場とするなど、メンバーの創作活動の場に限定することなく、町内に開かれた場として幅広く利用されています。さまざまな人との日常的な交わりは、メンバーにとってコミュニケーションを養う実践の場として生かされています。
作業室の窓からは園児が遊ぶ庭を眺められ、お互いに自由に行き交うことができます
PICFAの目的のひとつは、メンバーが創作活動という「仕事」により収入を得ることで、本人はもとより、その家族の経済的な心配をなくすことです。もうひとつはPICFAが地域に根差す資産となることです。「福祉=まちの荷物」となるのではなく、PICFAに生産できるものがあり、それが価値をもち、人や仕事を呼び込み、地域に多様な資産をもたらすことができる、そのような場になることを目的としています。
従来の福祉にはエロスが足りないと感じます。その人と関わることで高揚するものがあるかどうか、エロスとはそういった人と人との関係性のことで、その関係性が人間らしさだと考えます。
お互いに好きなものを好き、苦手なものを苦手といえること、苦手なものに対しては誰かほかのひとが補えること、それが福祉です。創造活動を通してメンバーや彼らを取り巻く社会が、人間らしく互いに共生をしていける施設をめざしています。
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